上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等に係る申告と課税

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上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等に係る申告と課税について


※ 所得税における取扱いについては、国税庁のタックスアンサー等からご確認ください。
 <国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)/株式投資等と税金>
      https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shoto312.htm

1 申告不要

上場株式等に係る配当所得等(*1)及び特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等(*2)については、5%(市民税3%、県民税2%)の税率により住民税(配当割又は株式等譲渡所得割)が特別徴収されます。
受取時に住民税が特別徴収された「特定配当等に係る所得金額」及び「特定株式等譲渡所得金額」については、原則として住民税の申告は不要です

*1 「上場株式等に係る配当所得等」とは、租税特別措置法第8条の4第1項に規定する上場株式等の配当等をいい、
  特定公社債等の利子所得を含みます。
*2 「特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等」とは、租税特別措置法第37条の11の4第2項に規定する源泉徴収
  選択口座内調整所得金額をいい、上場株式等の譲渡に係る事業所得又は雑所得を含みます。

特定配当及び特定株式等譲渡所得金額に係る申告手続きの簡素化

個人住民税において特定配当等および株式等譲渡所得金額にかかる所得の全部について申告不要とする場合に、原則として確定申告書の提出のみで申告手続きが完了できるよう、令和3年分の確定申告書から個人住民税にかかる附記事項が追加されました。※令和3年分以後の確定申告書を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用する。

2 課税方式の選択

(1) 特定配当等に係る所得金額
納税義務者の申告により、以下の課税方式を選択できます。(*3)
 ① 総合課税
 ・ 10%(市民税6%、県民税4%)の税率により住民税(所得割)を課税(*4)
 ・ 配当控除あり
 ・ 他の所得との損益通算不可
 ・ 他の所得に係る損失の繰越控除不可
 ② 申告分離課税
 ・ 5%(市民税3%、県民税2%)の税率により住民税(所得割)を課税(*4)
 ・ 配当控除なし
 ・ 上場株式等の譲渡損失との損益通算ができる(*5)
 ・ 上場株式等の譲渡損失の繰越控除ができる(*6)

 (2) 特定株式等譲渡所得金額
納税義務者の申告により、申告分離課税を選択することができます。(*3)
 ・ 5%(市民税3%、県民税2%)の税率により住民税(所得割)を課税(*4)
 ・ 上場株式等の配当所得等及び他の口座で保管される上場株式等の譲渡損益との損益通算ができる(*5)
 ・ 譲渡損失について、翌年度以後の上場株式等の配当所得等及び上場株式等の譲渡所得等において繰越控除できる
  (*5)
 ・ 住民税の課税年度の前年前3年以内の各年に生じた上場株式等の譲渡損失の繰越控除ができる(*6)

*3  住民税の納税通知書(住民税が特別徴収される方の税額決定通知書を含みます。以下同じ。)が送達される時まで
  に、課税方式を選択する所得を記載した申告書を提出する必要があります。申告書が提出されない場合には申告不要
  (税率5%による特別徴収)により課税が終了し、納税通知書の送達後に課税方式を変更することはできません。
   なお、住民税の納税通知書は、給与からの特別徴収の方は毎年5月上旬、普通徴収の方及び年金からの特別徴収の
  方は毎年6月上旬に発送します。
*4 特定配当等に係る所得金額又は特定株式等譲渡所得金額が所得割の計算に算入される場合、既に特別徴収された
  配当割額又は株式等譲渡所得割額は所得割の額に充当します。所得割から控除しきれない場合は、均等割額又は滞納
  市税額に充当し、なお残額がある場合は還付します。
*5 住民税の納税通知書が送達されるまでに、上場株式等に係る譲渡損失の金額の控除に関する事項を記載した申告書
  を提出する必要があります。
*6 損失が生じた年の翌年度から繰越損失を控除する年度までの各年度分の住民税について連続して、各年度の住民税
  の納税通知書が送達されるまでに、上場株式等に係る譲渡損失の金額の控除に関する事項を記載した申告書を提出す
  る必要があります。



3 所得税と異なる課税方式の選択について

所得税の確定申告書を提出した場合、住民税の申告書が提出されたものとみなされます。
上場株式等に係る配当所得等及び特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等について、所得税に関して総合課税又は申告分離課税として申告した場合は、同じ課税方式により住民税(所得割)を課税します(所得税に関して申告不要とした場合、住民税においても所得割の算定に含まないこととなります。)。

 ただし、平成29年度税制改正により、住民税において所得税と異なる課税方式を選択できることが明確化されました。
 <総務省ホームページ(平成29年度税制改正)>
  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/ichiran04.html


4 注意事項

(1) 一般株式等の少額配当等について、所得税では申告不要とすることができますが、住民税においては申告する必要
  があります。
   所得税の確定申告書を提出する場合、第二表の「住民税・事業税に関する事項」の「配当に関する住民税の特例」
  欄に記載することにより、住民税申告書の提出に代えることができます。
(2) 特定口座内保管上場株式等の譲渡損失を申告する場合は、同一口座内の全ての配当所得等についても申告する必要
  があります。
(3) 所得税と住民税で異なる課税方式を選択した場合、医療費控除額、住宅借入金等特別控除額(住民税控除限度額)
  等の計算に影響する場合があります。
(4) 特定配当等に係る所得金額及び特定株式等譲渡所得金額を申告した場合は、総所得金額等、合計所得金額並びに
  課税所得金額に算入されることとなります。
   これにより、非課税の要件又は他の親族の控除対象配偶者若しくは扶養親族となる所得要件を満たさないこととな
  る場合がある他、国民健康保険税・介護保険料・後期高齢者医療保険料等の負担が増える場合や、高額療養費の自己
  負担上限額の区分が変わるなど各種行政サービス等の受給に影響する場合があります。


5 申告手続

 <こちらのページ>をご覧ください。