市までのあゆみ

更新日:2023年06月30日

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「市」までのあゆみ

江戸時代までの三郷市の村

 江戸時代、三郷市域には51の村が存在し、いずれも武蔵国葛飾郡に属していました。

 これらの村々は、吉川市域の南部に位置する30か村とともに、「二郷半領(にごうはんりょう)(注釈)」という地域単位を構成していました。

 (注釈)二郷半領の由来は…

江戸幕府が文化・文政年間(1804年~1830年)に編さんした、武蔵国の地誌である『新編武蔵 風土記(しんぺんむさしふどき)』では、吉川市の三輪野江(みわのえ)村の定勝寺(じょうしょうじ)の梵鐘(ぼんしょう)の碑文を引き、二郷半領はかつて吉川と彦成の二郷と、彦成より南の地域を「下半郷(しもはんごう)」と称しており、二郷(吉川・彦成)と「下半郷」(彦成以南の地域)を合わせて二郷半領になったとしています。

 その後、明治にはじまる市制・町村制の実施の流れの中で、各村の従来の関係を可能なかぎり保持しながら、300~500戸を単位に合併がすすめられていきます。

明治の三郷

 明治元年(1868年)、近代国家を目指す明治時代がはじまり、明治4年(1871年)施行の廃藩置県後、本格的な府県統合が実施され、三郷市域は埼玉県へ統合されました。

 明治21年(1888年)、市制・町村制が公布され、翌年、明治22年(1889年)に彦成村・早稲田村・八木郷村・戸ヶ崎村が誕生しました。

下部に「明治22年(1889年)」と書かれており、彦成村、早稲田村、八木郷村、戸ヶ崎村の4つの村が色分けされている地図

昭和の三郷

 昭和18年(1943年)に八木郷村と戸ヶ崎村が合併し、東和村となります。

 戦後、昭和28年(1953年)、町村合併促進が進み、彦成村・早稲田村・東和村も合併に向けて動き出し、紆余曲折を経て、昭和31年(1956年)9月30日、三郷村が誕生しました。

三村合併の変遷

 第二次世界大戦後、国の町村合併政策が動き始めます。

 昭和24年(1949年)に発足した地方行政調査委員会会議が、行政効率化のために町村の合理的規模(人口7~8,000人程度)を実現すべしと勧告しました。

 昭和28年(1953年)、町村合併促進法が施行され、3年間で全国の町村数を三分の一にする「町村合併促進基本計画」がつくられ、町村合併が本格化しました。

 翌年の昭和29年(1954年)、埼玉県は県下の町村合併試案を発表し、その中には、彦成・早稲田・東和の3村を合併して17,000人弱の村になるべきとして載せられていました。

 当時、合併による自治体の大規模化は住民にとってもプラスに働くものと疑わず、合併を進めていきましたが、利害の食い違いや住民感情から合併が難航する例は少なくありませんでした。

下部に「三郷村になるまで」と書かれており、右側から明治22年、昭和18年、昭和31年の3段階に分けて村が合併していく過程を説明している地図

市制施行とふるさとの歌

 村になってから8年目、昭和39年(1964年)10月1日の町制施行により、人口21,766人の三郷町が誕生します。

噴水の周りに多くの人々が集まりパレードをしている様子の白黒写真
飾りの付いた車を先頭に様々な形の車が道路に並んでいる白黒写真

 町制施行パレードの様子

 そして、昭和47年(1972年)5月3日の市制施行により、埼玉県下37番目の市として人口49,618人の三郷市が誕生します。 市制施行記念式典は同日、完成したばかりの南中学校体育館で行われ、式典の企画の一環として、『三郷市民の歌』と『三郷音頭』が披露されました。

 『三郷市民の歌』は、アニメ「巨人の星」のオープニングテーマを歌っていたアンサンブル・ボッカによって歌われました。この曲は、移動図書館「ふれあい号」到着合図の音楽としても親しまれ、現在は、「すこやかみさと健康体操」でも使用されています。

 『三郷音頭』は、広報みさとを通じて市民から歌詞を募集し制作され、当時の三郷のできごとが反映された歌詞と分かりやすい振付で子どもからお年寄りまで広く親しまれました。

横断幕に「市制施行記念式典」と書かれ日本国旗や三郷市の市章が掲げられている舞台上で演壇に立つスーツ姿の男性と壇上に設けられた椅子に座っている関係者の方々と多くの参加者の皆さんが会場の席に着いている式典の様子の写真

 昭和47年(1972年) 市制施行記念式典

「市民音頭の募集」と書かれ募集要項が書かれている新聞記事の写真

 昭和46年(1971年)12月20日広報みさと市制特集号の記事

水辺を背景に着物を着た女性が微笑んでいる三郷音頭のジャケット写真

 三郷音頭のジャケット

中心部分に三郷市の市章のマークが入っているレコード写真

 当時のレコード

 市制施行10周年を迎えた昭和57年(1982年)には、『葛飾三郷ばやし』が制作され、市民参加により発足した「葛飾三郷ばやしを育てる会」によって作詞案・作曲案が検討されました。

 歌は国民的歌手として数多くのヒット曲を世に送り出した都はるみ氏によって歌われ、作詞は「郷土民謡の作詞では当代随一」との定評がある森菊蔵氏が担当しました。森氏は『三郷市民の歌』の作詞、『三郷音頭』の補作詞も担当しています。

 市制施行10周年記念式典は新庁舎落成記念と一緒に翌年の昭和58年(1983年)に行われました。

市制施行10周年を祝う式典の舞台上で演壇に立って挨拶をしている男性と、演壇の両脇に設置されたイスに座っている関係者たちの写真

 昭和58年(1983年) 市制施行10周年記念式典

大小様々な花火が上がっている写真を背景に白の着物姿の女性が微笑んでいる葛飾三郷ばやしのジャケット写真

 (表面)葛飾三郷ばやしジャケット

三郷市の街並みが写っており、上部に「若い三郷」と書かれた三郷市民の歌のジャケット写真

 (裏面)三郷市民の歌ジャケット

円形で中心部分が朱色でデザインされ曲名が記載されているレコードの写真

 当時のレコード

上部に青のラインが入り、筆文字で葛飾三郷ばやしの歌詞が書かれている手ぬぐいの写真

 市制施行10周年で作られた『葛飾三郷ばやし』の歌詞入り手ぬぐい

市役所庁舎の移り変わり

 昭和31年(1956年)に3つの村が合併して誕生した三郷村は、彦成村役場を本庁舎とし、早稲田村役場、東和村役場をそれぞれ早稲田支所、東和支所として村役場の業務を行っていました。

 昭和33年(1958年)5月3日には、新しい村役場が谷口に完成し、それぞれの支所は廃止され、村役場の機能が新役場庁舎に一括されました。

 その後、町制施行により村から町へ、市制施行により市へと移り変わりましたが、庁舎は村役場時代の建物を引継ぎ、町役場、市役所として使用していました。

 市制施行10周年を迎えた翌年の昭和58年(1983年)7月、現在の場所(花和田)に新庁舎が完成しました。

建物の周りに足場が組まれ中心部分が二階建てになっている三郷村役場外観の白黒写真

 昭和32年(1957年)~昭和33年(1958年)
 建設中の三郷村役場

中心部分が二階建てになっており、手前に石の門柱が設置された三郷村役場の外観写真

 昭和33年(1958年)以降 完成後の三郷村役場

手前の駐車場には多くの車が停められており、2階建ての建物の屋根部分が赤色にデザインされた町役場の外観写真

 昭和39年以降の町役場の様子

白い外壁で渡り廊下に屋根が設置された7階建ての新庁舎の外観写真

 昭和58年(1983年) 現市役所の場所に新庁舎完成

三郷の市章

 三郷市を象徴する章は、三郷村だった昭和35年(1960年)、村民からのデザイン公募によって制作されました。149点のデザイン応募があり、昭和35年(1960年)12月2日に審査会開催、12月10日に最終決定がなされ、村章のデザインは、戸ヶ崎村の村章もデザインした柴順隆氏の案が選ばれました。

 この章は、村から町、町から市へと引き継がれて現在に至ります。

中心部分に「村章募集」と書かれ周りに募集要項が箇条書きで記されている新聞記事の写真

 昭和35年(1960年)8月15日広報みさと1面

右側に「村章応募のお礼」と書かれ、応募してくださった皆さんへ感謝の言葉が記された新聞記事

 昭和35年(1960年)10月15日広報みさと1面

三郷村章図案と書かれた用紙の下部に、様々なデザインの村章図案がずらりと並べられている写真

 公募された当時の村章図案

大きなテーブルを囲んで着席している関係者たちが、壁に張り出されている村章図案を眺めている写真

 審査会の様子

カタカナの「サ」と「ト」を複数組み合わせて円状になっている三郷市の市章マーク

 市章
 3つの「サ」と「ト」で三郷を表しています

参考文献

三郷市史編さん委員会 編

  •  「三郷市史 第7巻 通史編2」(三郷市 1997)
  •  「三郷市史 第9巻 民俗編」(三郷市 1991)
  •  「三郷のあゆみ」(三郷市 1999)

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