同和問題の解決をめざして

更新日:2023年06月30日

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同和問題の解決を目指して

基本的人権が保障されるために

 私たちは、かけがえのない、一人の人間として尊重され、また、幸せな生活を送りたいと思っています。
 そして、日本国憲法では、この人間としての当然の願いである、侵すことのできない永久の権利として、「基本的人権」を保障しています。
 しかし、現実には、日常生活のいろいろな面でいわれない差別を受け、悩み苦しんでいる人々がいます。同和地区に生まれ育ったというだけで、本人の人柄とは関係もなしに交際を避けられたり、結婚を取りやめられるというような問題を抱える人々がいるのです。
 このように同和問題は基本的人権に関わる社会問題であり、一日も早く解決していくことが、私たち一人ひとりの課題なのです。

1 同和問題(部落差別)とは

 同和問題とは、日本の歴史的過程で形づくられた身分制度に由来するもので、今なお、日常生活の上でいろいろな差別を受けるなど、我が国固有の人権問題です。
 同和問題(被差別部落)に生まれ育ったということなどを理由とした不合理な偏見により、交際を避けたり、結婚をとりやめたりすることは差別であり、基本的人権の侵害に関わる重大な人権問題です。

2 同和対策審議会答申と同和問題の解決にむけた取組

 昭和40(1965)年、同和対策審議会から「同和地区に関する社会的及び経済的諸問題を解決するための基本的方策」について答申が出されました。
 この答申は、その後の同和行政の指針となったものであり、その中で、多種多様な形態で現れる部落差別を心理的差別と実態的差別の二つに大別し、この心理的差別と実態的差別は、相互に作用し合って差別を助長する結果となっていると指摘しました。

心理的差別

 人々の観念や意識の中に潜在する差別であり、封建的身分の賤称(身分の差別呼称)を使って侮蔑したり、偏見により交際や就職、結婚などを拒むといった行動に現れる差別のこと。

実態的差別

 同和地区の人びとの生活の上に現れている差別のことで、劣悪な生活環境、低位な教育・文化水準、不安定な職業、高い生活保護率などの形で現れる差別のこと。

 この答申を機に、昭和44(1969)年に同和対策事業特別措置法が制定されました。

 その後、法の変遷を経て、平成14(2002)年3月の「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」の失効までの33年間、国や県、市町村では様々な特別対策事業を行ってきました。
 その結果、同和地区における生活環境については改善が図られ、格差の解消はほぼ達成されました。
 しかしながら、差別意識や偏見については、これまでの取組により着実に解消に向けて進んできてはいるものの、時として差別的な発言や落書き、結婚や就職に際した身元調査、不動産購入時などの土地調査が行われるなど、未だに課題が残っています。

 また、情報化の進展に伴って、最近ではインターネット内に差別的な書き込みがなされるなど、部落差別に関する状況が変化しています。

3 部落差別のない社会の実現に向けて

 このような状況を踏まえ、部落差別のない社会を実現することを目的に、平成28(2016)年12月16日に「部落差別の解消の推進に関する法律」が公布・施行されました。

 私たちは、何よりも、人として差別があることを許すことはできません。まして、自分自身が差別されることには強い憤りを感じるはずです。また、差別を黙って見過ごすことは、守らなければならない基本的人権が侵害されているという現実を認めてしまうことになります。

 同和問題を解決するためには、私たち一人ひとりが同和問題を正しく理解し、自分自身の問題としてもう一度考え、相手に対して思いやりの気持ちを持つとともに、差別を許さないという強い意志を持つことが大切です。

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