番匠免の大般若経祭り

更新日:2023年06月30日

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 無病息災(むびょうそくさい)・疫病退散(えきびょうたいさん)を祈念して、迎攝院(こうしょういん)と神明神社(しんめいじんじゃ)で行われる神仏習合(しんぶつしゅうごう)の祭礼です。
 大般若経(だいはんにゃきょう)は仏教の経典で、「大般若波羅密多経(だいはんにゃはらみったきょう)」の略称です。全600巻あります。番匠免の大般若経は、嘉永(かえい)元年(1848年)ごろから作成され始めました。
 祭礼当日の朝、迎攝院の住職が神明神社に入り神前で大般若経全600巻を転読(てんどく)します。
 転読後、経典を6つの木箱に入れ、町内の家を巡り、各家の玄関に木箱を叩きつけます。
 休憩する家では、休む前に木箱に群がり、「番匠免甚句(ばんしょうめんじんく)」と呼ばれる歌を歌います。歌い終えると、木箱を結んである縄が切れるまで地面にこすりつけます。この動作は、「揉(も)む」と呼ばれ、切れた縄は、魔除けとして各家で軒先や玄関先に取り付けられます。

神仏習合とは

 日本古来の神を信仰する神道とインド由来の仏教を同一視する考え方のことです。
 奈良時代より始まりました。

転読とは

  経典を全部読まずに、経文をパラパラとめくりながら一部分を略読し、全巻を読誦(どくしょう)したものとみなすことです。

〔番匠免甚句〕(一部抜粋)

 一番 ハー 番匠免の(コラショット) 大般若経祭りが二度あるならば かわいいあの子と二度会える

神前に座りお経を転読する緑色の袈裟を着た迎攝院住職と、その後ろに座る人々の写真

 迎攝院住職が神前で大般若経を転読する

左:運搬用の木の棹が取り付けられ、大般若経が入った6つの木箱が積み重ねて置かれている様子の写真 右:祭礼衣装姿の男性2人が木箱の棹を肩に担ぎ、提灯が下げられた道を歩いている写真

6つの木箱に大般若経を入れ、2人1組で担ぎ町内を巡る
 住職も木箱の後をつき巡り、各家の玄関先で転読する

左:木箱の上にしゃがんでいる男性と、その下に集まる多くの祭礼衣装姿の男性たちの写真 右:木箱の棹を握り、縄が切れるまで地面にこすりつける祭礼衣装姿の男性たちの写真

 宿に到着後、木箱の上に乗り番匠免甚句を歌う

 木箱を揉み、縄が切れるまで地面にこすりつける

迎攝院境内でたくさんの祭礼衣装姿の男性たちが、木箱を地面にこすりつけている様子の写真

 祭礼終盤、すべての木箱は迎攝院に集まる
 境内では、大揉みが行われる

開催日

 例年7月8日前後の土曜(迎攝院・神明神社)

文化財指定日

  •  平成10年(1998年)3月17日 埼玉県選択無形民俗文化財指定
  •  平成11年(1999年)4月21日 三郷市指定文化財(無形民俗)指定

祭礼衣装

グレーに白の縦の線の入った模様が入り、黒の襟に「大般若経祭 番匠免町会」と文字の入った祭礼衣装を前から写した写
背中に赤色で「祭禮」と書かれた文字が入っている祭礼衣装の後ろと帯を締めている祭礼衣装の後ろを並べて写した写真
全体が黒色でTの字をかたどった白地の模様が入っており、黒襟に「免友会」の文字が入った祭礼衣装の写真
背中に白色で「祭禮」とかかれた文字が入っている祭礼衣装の後ろと帯を締めている祭礼衣装の後ろを並べて写した写真

 (番匠免大般若経祭保存会蔵)

観音堂

 番匠免の大般若経祭りが行われる迎攝院の観音堂は三郷市指定文化財(建造物)です。
 観音堂とは、観音菩薩の像を安置するお堂のことで、迎攝院の観音堂は、室町時代後期~江戸時代初期に建立されたと推定される市内最古の建造物です。この建物に使用されている木材(けやき、松、ひのき、さいかち等)は、すべてこの土地で育った樹木を使用していると言われています。

正面両側に石灯篭が設置され、拝殿まで石畳が続いており、朱色の柱の壁木造の観音堂外観写真

住所

 迎攝院境内(番匠免1-127-1)

文化財指定日

 昭和50年(1975年)2月19日 三郷市指定文化財(建造物)指定

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