三匹の獅子舞

更新日:2023年06月30日

ページID : 3575

 今から400年以上前、天正(てんしょう)10年(1582年)に当時の領主が村人に凶事(きょうじ)が続いたことを憂(うれ)い、鰐口(わにぐち)を寄進(きしん)、獅子舞を奉納し、村人の長寿(ちょうじゅ)、疫病退散(えきびょうたいさん)、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願ったことが始まりと伝えられています。
 神前(しんぜん)に舞庭(まいにわ)を作り、大(おお)・中(なか)・女獅子(めじし)の頭(かしら)をつけ、腰につけた太鼓を打ちながら笛の音に乗って演舞します。舞は九種類あります。舞を行っている間、見物人がオヒネリを獅子舞に向かって投げます。
 現在は戸ヶ崎獅子舞保存会によって受け継がれています。

九種類の舞の順

女獅子隠(めじしかく)し ⇒ 笹廻(ささまわ)り ⇒ 飛び恰好(がっこう) ⇒  弓(ゆみ)懸(が)かり ⇒ 橋渡(はしわた)り ⇒ 帰り恰好(がっこう) ⇒ 綱渡(つなわた)り ⇒ 烏覗(からすのぞ)き ⇒ 太刀(たち)懸(が)かり

神社の拝殿前の舞台で周りの笛と太鼓の演奏に合わせて白と青色のストライプ柄の着物を着た踊り手が頭に獅子頭をつけ腰につけた太鼓を打ち舞っている様子の写真

 神前に舞庭を作る(奥に拝殿がある)

舞台の上で白と青色のストライプ柄の着物を着用し頭に獅子頭をつけた3名の踊り手が腰につけた太鼓を打ち舞っている様子の写真

 大・中・女獅子の三匹が舞う

頭に獅子頭をつけた踊り手が紺色の布をかけた刀の鞘を両手で持っている一場面の様子の写真
頭に大獅子の獅子頭をつけた踊り手が中腰になり両手で刀の柄を握り刃を目の前に置かれた赤色の台に置いて祓い清めている一場面の様子の写真

 舞のクライマックス、太刀懸かりの一場面。大獅子が神社の宝刀により、四方を祓い清める

開催日

 例年7月第1日曜日を最終日とした3日間

文化財指定日

 昭和53年(1978年)2月20日 三郷市指定文化財(無形民俗)指定

獅子頭

 戸ヶ崎香取神社には代々の獅子頭が保存されています。
 大獅子・中獅子は雄の獅子で、女獅子は雌の獅子です。
 約100年ごとに作り替えられており、現在、獅子舞を奉納する際に使われる獅子頭は5代目です。

【初代獅子頭】 天正10年(1582年)~元禄14年(1701年)

天正10年から元禄14年までに使用されていた角のない初代女獅子の獅子頭の写真
正10年から元禄14年までに使用されていた角が削られた初代大獅子の獅子頭の写真
天正10年から元禄14年までに使用されていた角が削られ歯が残っている初代中獅子の獅子頭の写真

【二代目獅子頭】 元禄15年(1702年)~文政3年(1820年)

元禄15年から文政3年までに使用されていた長いまつ毛のある二代目女獅子の獅子頭の写真
元禄15年から文政3年までに使用されていた頭に二本の角が生えている二代目大獅子の獅子頭の写真
元禄15年から文政3年までに使用されていたまつ毛が長く頭に二本の角が生えている二代目中獅子の獅子頭の写真

【三代目獅子頭】 文政4年(1821年)~大正12年(1923年)

文政4年から大正12年までに使用されていたまつ毛が長い三代目女獅子の獅子頭の写真

 女獅子

文政4年から大正12年までに使用されていた青色の顔で頭に二本の角が生えている三代目大獅子の獅子頭の写真

 大獅子

文政4年から大正12年までに使用されていた緑色の顔で頭に二本の角が生えている三代目中獅子の獅子頭の写真

 中獅子

【四代目獅子頭】 大正13年(1924年)~平成3年(1991年)

大正13年から平成3年までに使用されていた全体が金色に施されまつ毛が長い四代目女獅子の獅子頭の写真

 女獅子

大正13年から平成3年までに使用されていた青色の顔でところどころ金色に施され長いまつ毛で頭に二本の角が生えている四代目大獅子の獅子頭の写真

 大獅子

大正13年から平成3年までに使用されていた緑色の顔にところどころ金色が施され長いまつ毛で頭に二本の角が生えている四代目中獅子の獅子頭の写真

 中獅子

【獅子頭 ミニチュア】

髪の毛や白色の髭があるミニチュアの女獅子の獅子頭の写真
顔が青色で髪の毛や白色の髭があり頭にグレー色の二本の角が生えているミニチュアの大獅子の獅子頭の写真
顔が緑色で髪の毛や白色の髭があり頭にカラフルな色で施された二本の角が生えているミニチュアの中獅子の獅子頭の写真

奉納返礼品

御神饌(ごしんせん)

 御神饌は、神様に供える食べ物や飲み物のことで、中にはお米が入っています。

中央に朱色で献弊社戸ヶ崎浅間香取神社と書かれた五角形の御神饌の写真

朱印

 獅子頭が描かれた朱印は、宮司によって描かれたもので祭礼時のみ配られます。

三匹の獅子舞のイラストと朱色で左に身体健全、右に疫病退散と書かれた朱印の写真

牡丹(ぼたん)の花の絵

 奉納返礼品の一つに牡丹の花の絵が描かれた和紙があります。
 牡丹の花は、祭礼に使われる花笠にも用いられており、牡丹の花と獅子には古の頃から深い縁があります。
 一説によると、牡丹の花の下は獅子にとって安住の地であり、牡丹の花に溜まる夜露は『獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)』から身を守るために効く唯一の薬であるとされています。『獅子身中の虫』という言葉は、獅子の体内に寄生し、恩恵を受けながらもその獅子を食って害をなす虫のことで、恩を仇(あだ)で返すことや味方でありながら災いをもたらす害のたとえを指します。
 このことから、全ての悪から人を守るという意味で、霊力のある獅子の魔除けと牡丹の花の虫除けが掛け合わされたのではないかと考えられています。
 そのほかにも取り合わせが良いものとして『唐獅子牡丹』、『牡丹に唐獅子』、『牡丹に獅子』という慣用句もあり、「百獣の王」である獅子と「百花の王」である牡丹は相性が良いと言われています。

献弊社戸ヶ崎浅間香取神社と横書きで書かれた上に大きな2輪の牡丹の花の絵が描かれている写真

幸房・岩野木の獅子舞

 富足神社(とみたるじんじゃ)の社伝(しゃでん)によると、大水害に見舞われた際に3つの獅子頭が江戸川に漂流し、疫病(えきびょう)が流行りました。これを鎮(しず)めるために獅子舞を奉納したのが祭礼の始まりといわれています。
 先導役(せんどうやく)の猿が獅子たちの先頭に立ち、舞う場所に入場し、女(め)・中(なか)・大獅子(おおじし)の三頭が順に舞います。最後に三頭が神前(しんぜん)に跪(ひざまず)いて舞が終わります。
 獅子舞で舞う演目のことを一庭(ひとにわ)といい、舞は全部で七庭あります。現在は、一庭のみ奉納しています。

七庭の舞の順

 花がかり ⇒ 御幣(ごへい)がかり ⇒ かんぬきがかり ⇒ 綱がかり ⇒ 橋がかり ⇒ 女獅子(めじし)がかり

神社の境内に設置された小さな朱色の橋の上を頭に角が生えた獅子が両手に握った棒を橋について渡っている舞いの様子の写真
大勢の観客が見ているなか頭に獅子頭をつけた2名の踊り手が腰につけた太鼓を打ち1名が両手と両脚を広げて舞っている様子の写真

開催日

 開催日 例年10月15日前後の日曜日

文化財指定日

 平成15年(2003年)3月17日 三郷市指定文化財(無形民俗)指定

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習課
〒341-8501 埼玉県三郷市花和田648番地1
生涯学習係 電話番号:048-930-7759 ファックス:048-953-1160
お問い合わせフォーム