DV(ドメスティック・バイオレンス)について

更新日:2023年08月01日

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DVとは?

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者からの「暴力」のことです。DVの被害者の多くは女性ですが、性別にかかわらず起こり得ます。また、同性パートナー間でもDVは起こり得ます。

「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」では、「配偶者」に婚姻の届出をしていないいわゆる「事実婚」を含み、男性、女性の別を問わず、離婚後(事実上離婚したと同様の事情に入ることを含む。)も引き続き暴力を受ける場合を含むと定義されています。また、生活の本拠を共にする交際相手(婚姻関係における共同生活を営んでいない者を除く。)からの暴力について、この法律を準用することとされており、生活の本拠を共にする交際関係を解消した後も引き続き暴力を受ける場合を含むとされています。

 

「暴力」とは?

「暴力」というと、殴る・蹴るなどの身体的な暴力を想像しがちです。しかし、「暴力」はそれだけではありません。
では、どんなことが「暴力」にあたるのでしょうか。暴力の種類について、下記に具体例を挙げます。

身体的暴力の例

  • 殴る
  • 蹴る
  • 物を投げる
  • 突き飛ばす
  • 首を絞める
  • 殴るふりをする

精神的暴力の例

  • 無視する
  • 大声で怒鳴る
  • モラハラ(モラルハラスメント)
  • 人格を否定することを言う
  • 人前で悪口を言う
  • 「出て行け」など暴言を吐く
  • 交友関係を制限、チェックする

経済的暴力の例

  • 必要な生活費を渡さない
  • お金を取り上げたり貯金を勝手に使う
  • 家庭の収入について何も教えない

性的暴力の例

  • 性行為の強要
  • 避妊に協力しない

子どもを巻き込んだ暴力の例

  • 子どもへパートナーの悪口を言う
  • 子どもへ暴力を振るうと脅す

 

「暴力」は毎日起こるとは限りません。加害者は、優しい時期、不機嫌な時期、暴力を振るう時期を使い分けます。また複数の暴力を駆使したり、暴言等により暴力の責任が被害者にあると思わせようとしたりと、様々な手段でパートナーを支配しコントロールしようとします。

 

デートDVとは?

恋人から受ける「暴力」をデートDV(恋人間暴力)と呼んで、DV(配偶者(パートナー)から受ける暴力)と区別しています。

こんなことはありませんか?

恋人が…

  • スマホをチェックする
  • 交友関係を制限する(異性の友人の連絡先を消す、SNSをブロックさせる)
  • 「別れるなら死ぬ」などと脅す
  • キスや性行為を強要する
  • 性的な写真を撮ったり、写真を送らせたりする
  • 避妊に協力しない
  • 中絶を強要する
  • デート代をすべて支払わせる
  • 借りたお金を返さない
  • 物を投げつける
  • たたく、殴る、蹴る

これらはデートDVの一例です。このように「暴力」は、殴る・蹴るだけではありません。

ひとつでも当てはまったら、恋人との関係が対等ではないかもしれません。

「嫌われたくない」「自分が悪いから…」と思って我慢していませんか?

恋人との関係に違和感を抱いたら、「デートDVかもしれない」と一度立ち止まってよく考えてみましょう。

デートDVは、小・中・高校生のような若い恋人同士でも起こり、自分たちだけで解決するには、とても難しい問題です。

もしあなたが悩んでいたら、信頼できる大人か相談機関へ相談してみてください。

 

ケンカとDVの違い

パートナーや恋人と、お互いに言いたいことを言い合って、意見がぶつかることもあるかもしれません。

関係が対等の相手とのぶつかり合いが「ケンカ」です。

一方「DV」には「相手を力で押さえつけ、コントロールする」という支配関係があるため、「ケンカ」のような意見のぶつかり合いにはなりません。

例えば…

  • パートナー(恋人)と一緒にいるとビクビクする
  • 自分の気持ちが言えない
  • 常に顔色をうかがってしまう

このような状況であれば、パートナー(恋人)との関係は対等ではないかもしれません。

「ケンカ」と「DV」には大きな違いがあるのです。

 

DVはなぜ起こる?

DV被害者の多くは女性です。

日本では、「男性は外で働き、女性は家庭を守るもの」という固定的な男女の役割分担意識が根強くあり、経済的な格差が生まれています。また「女は男に従うもの」「男は多少暴力を振るっても仕方ない」などといった男性優位の意識は現在でも残っています。

こうした古くからある社会的な問題を背景にDVが起こると考えられています。

一方で、被害者が男性の場合、こういった社会的な背景から人に相談しにくく、支援に繋がりにくいということが課題となっています。

 

DVはどういったきっかけで始まる?

加害者の行動パターンの例

1.「好きだから」と行動を見張る

「心配だから」「愛しているから」と言って…

  • パートナーの行動をチェックする
  • 誰と会ってどんな話をしていたのか報告させられる

被害者は…

自分のことを考えてくれていると思い(おかしいと思っても)拒めない

2.孤立させる

パートナーの周囲の人(友達や家族)を…

  • 極端に嫌って会わせないようにする
  • 連絡を取らせないようにする
  • 出かけようとすると「行かないでくれ」としつこく迫る

被害者は…

困りごとがあっても相談する人や機会を失っていく

3.日常的に否定する

  • 批判する「なんでこんなこともできないんだ」
  • 否定する「何をやってもだめだ」
  • 馬鹿にする「これくらいもできないのか」

被害者は…

「自分に落ち度があるのでは…」「自分が悪いのでは…」と思うようになっていく

4.暴力がエスカレートする

  • 突き飛ばすなど身体的な暴力が加わる
  • うまくいかなかったことをパートナーのせいにする「お前が~したからこうなったんだ」
  • 脅す「~をしないとどうなるかわかっているのか」

被害者は…

暴言や暴力にさらされ続けると、「本当はしたくないけど怖いからする」「次はもっと言う通りにしないと」「自分が悪い」などと考えるようになってしまう

 

このように、徐々に支配され、コントロールされていくのがDVの特徴なのです

 

DVの被害の影響

DVは、被害者の心と体を深く傷つけます。

DVの加害者は「誰にでも暴力を振るう怒りっぽい人」ではないことが多く、むしろ、同僚や友達からは「優しくていい人」「まじめに仕事をする人」などと言われていることが多くあります。そのため、「暴力を振るわれた」と被害者が訴えても、誰にも信じてもらえないことがよくあります。

これはDV加害者が、時と場所や相手を選んで加害行為が発覚しないように「学習」し「行動(DV)した結果」と考えられますが、被害者にとっては身体的DV等の被害のみならず、周囲に分かってもらえないといった苦しみを抱えることになるのです。

傷を負った被害者は、加害行為から逃れたあとも生活に影響が出たり、専門的なケアが必要になることがあります。

また、子どもが親の暴力を見たり聞いたりすることは「児童虐待」にあたり、子どもの心身にも様々な影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。

 

DV相談窓口

DVなのかも…と思ったら、または、友人や知人でそのような状況の人がいたら、早めに相談してみましょう。

三郷市配偶者暴力相談支援センター

女性相談

その他の相談窓口

 

 

この記事に関するお問い合わせ先

人権・男女共同参画課
〒341-8501 埼玉県三郷市花和田648番地1
電話番号:048-930-7751 ファックス:048-953-1135
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