虚空蔵さまとうなぎ
宇宙のような無限の知恵と慈悲が収まっている貯蔵庫(虚空蔵)から、人々の願いを叶えるために知恵や記憶力、知識を与えてくれる仏である「虚空蔵(こくぞう)さま」は、「木造虚空蔵菩薩立像(もくぞうこくぞうぼさつりゅうぞう)」といい、三郷市指定文化財(有形民俗)となっています。
文明18年(1486年)に古刀禰川(ふるとねがわ)(現中川)で発見され、祀(まつ)り始められました。
虚空蔵さまを祀る地域には、「うなぎは虚空蔵さまの使者や化身である」という言い伝えから、うなぎを食べないという伝承が残っており、これらの地域には、洪水や水害が多いという共通点があります。
延命院のある彦倉地域でも、「古刀禰川が増水し、堤防が決壊したことにより、軒下まで浸水した。水に流された人々は、丸太につかまり、濁流に流されずに浮いていたがそれはよく見ればうなぎであった。うなぎが多くの人を救い、その恩返しにうなぎを一切口にしないと誓った」という民話が残っています。
このようにうなぎとの関わりが深いことから、虚空蔵さまを祀る延命院にはうなぎ供養塔が建立されています。また、うなぎに敬意を表すために供養会が開催されているほか、うなぎの絵馬やうなぎ掻き棒が奉納されています。

虚空蔵さま

虚空蔵さまを安置している厨子(ずし)

うなぎ供養塔
厨子とは
仏像や経巻を安置する仏具のこと
住所
延命院 (彦倉1-83-1)
文化財指定日
平成25年(2013)3月14日 三郷市指定文化財(有形民俗)指定
三郷の民話集
三郷市教育委員会から発行された『三郷の民話集-日本一の読書のまち-』には、市民サークル手作り絵本ハモニカが再話・作成した市内の民話8編が収録されています。
この民話集には、虚空蔵さまにまつわる民話「こくぞうさま」「こくぞうさまとうなぎ」「さくぞうとうなぎ」が掲載されています。

『三郷の民話集-日本一の読書のまち-』は、日本一の読書のまち推進課にて販売中です。三郷市電子図書館でもご覧になれます。
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虚空蔵さまにまつわる絵本
三郷の民話は“三郷のいいとこ”カルタでも読まれています。

うなぎ掻き棒
うなぎ漁に用いられる道具です。
竹竿の先に鉄を薄く延ばした刃をつけ、水の中にさしこみ、船の縁を使い、てこの要領で川底にいるうなぎを掻き出します。

虚空蔵堂
虚空蔵さまが安置されている延命院虚空蔵堂(えんめいいんこくぞうどう)は虚空蔵さまと並び三郷市指定文化財です。
虚空蔵堂は、江戸時代中期の細分意匠を有する寺院建築であり、『新編武蔵風土記稿(しんぺんむさしふどきこう)』には、延享(えんきょう)2年(1745年)に建立されたと記されています。

文化財指定日
平成25年(2013年)8月22日 三郷市指定文化財(建造物)指定
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更新日:2023年06月30日